ザイデルダム(アラスカ クルーズ)
(2007/8/11〜8/18)
(1)寄港地の紹介
(バンクーバー〜インサイドパッセージ〜トレシーアーム〜ジュノー〜スキャグウェイ)

(1)寄港地の紹介
(バンクーバ〜インサイドパッセージ〜トレシーアーム〜ジュノー〜スキャグウェイ)

(2)寄港地の紹介
(グレイシャーベイ〜ケチカン〜インサイドパッセージ〜バンクーバー)

(3)ザイデルダムの船内
(4)アラスカで出会った船



ZUIDERDAM(Holland America Line)
at Skagway
総トン数:82,000トン
全長:285.3m、全幅:32.3m、
旅客定員:2065名、就航:2002年
推進方式:ディーゼル(+ガスタービン)
エレクトリックポッド式推進

お盆休みにホランド・アメリカのザイデルダムのアラスカクルーズに行ってきました。アラスカは1999年のギャラクシー(セレブリティクルーズ)に次いで2回目です。
アラスカクルーズの多くは、カナダのバンクーバとアメリカのシアトルから出航します。いずれも日本から直行便が飛んでいて、また空港から港までは近い距離なので、日本からのアクセスは便利です。飛行機の発着時刻も都合が良いので、ホテル泊なしでもクルーズに参加できます。
ザイデルダムのアラスカクルーズは、土曜日にバンクーバーを出発し、翌週の土曜日にバンクーバーに戻ってくる7泊8日のクルーズです。3つの寄港地の他、グレイシャーベイとトレシーアームの2箇所に立ち寄るのがセールスポイントです。

数多くのクルーズ船社のなかで、ホランド・アメリカは老舗の船会社です。私が少年の頃、春秋に神戸港を訪問するロッテルダム号の
写真を写すために、よく港に行きました。私にとっては、馴染みの深い船会社なのですが、何故かこれまで乗船する機会がありませんでした。今回、お盆休みにザイデルダムのクルーズを組み入れたツアーが企画されたので参加しました。ツアー参加者7人+添乗員1人で、乗船客は1824人、日本人は全体で12人です。

お盆休みの真っ只中のため料金が高めです。それよりも驚いたのが、各種税金(日本、アメリカ、カナダ)と原油サーチャージの高さです。税金関係が62,000円、原油サーチャージなどが16,000円、合わせて約78,000円の出費が強いられました。クルーズの予算を考えるときに無視できない額です。税金の中には環境保全を目的としたものもあり協力すべきだとは思いますが、やっぱり高い。


月日 寄港地 入港 出港
8/11(土) VANCOUVER 17:00
8/12(日) INSIDE PASSEGE Cruising
8/13(月) TRACY ARM Cruising
8/13(月) JUNEAU 14:30 22:30
8/14(火) SKAGWAY 07:00 21:00
8/15(水) GLACIER BAY Cruising
8/16(木) KETCHKAN 14:00 23:30
8/17(金) INSIDE PASSEGE Cruising
8/18(土) VANCOUVER 07:00


1.バンクーバー
(VANCOUVER)

バンクーバー空港は到着便のラッシュ時間帯で入国手続きに列ができました。幸いにもアメリカ入国とは異なり、順調に列が掃けて行きました。

到着ロビーを出ると、船名のプラカードを持った船会社の係の人が待っています。ザイデルダム、サファイヤ・プリンセス、セレナーデ・オブ・ザ・シーズ、インフィニティ。今日は4隻出航と早合点してしまいましたがインフィニティは翌日出航で、クルーズ前にバンクーバーのツアーに参加する人への案内だったようです。

空港から港までは船会社のシャトルバスを利用しました。ホランド・アメリカとプリンセスは共同運航です。港の埠頭が同じカナダプレイスであるのと、両社ともにカーニバルグループの会社だからでしょう。

途中渋滞も含めて港まで約40分で到着しました。カナダプレイスの左側にザイデルダム、右側にサファイヤプリンセスが停泊していました。セレナーデ・オブ・ザ・シーズは、少し離れた埠頭です。

カナダプレイスに入ると、まず手荷物検査を受けます。その後、チェックインです。船内の支払いで使用するクレジットカードはここで登録します。その後、カナダの出国とアメリカの入国検査を受けます。アメリカの入国検査は空港と同じで、指紋採取と顔写真の撮影があります。多くの乗船客は既に乗船済みのようで、乗船手続き、出入国検査はほとんど待つことなく短時間で完了しました。

ギャングウェイでお決まりの記念撮影の後、いよいよ乗船です。さっき受け取ったばかりのクルーズカードのバーコードを係り人に読み取ってもらいます。ロビーでは客室係りが待機していて、客室まで案内してくれますが、我々はロビーの一画でこれからの予定の確認です。

9階のリドレストラン(ビュッファ式レストラン)で軽く食事を取ったあとキャビンに戻り、救命胴衣を着用してボートドリルに参加しました。4階のプロムナードデッキの指定された場所に集合すると、人員点呼が始まりました。しかし、点呼の途中で安全に関する船内放送が始まってしまったので、結局私の名前は呼ばれずじまいに、そのまま解散になりました。

一足先に出航した、サファイヤ・プリンセス

出航を盛り上げるバンド演奏 デッキでは飲み物の販売も

キャビンに届いたスーツケースの荷物整理が終わる前に、出航時間が迫ったのでデッキに出ました。

デッキ後部では、出航のイベント(Sailaway Festivities)が開催され、バンド演奏も始まっていました。一足先に岸壁の反対側からサファイヤ・プリンセスが出航していきました。ホランド・アメリカの客層の性か、盛り上がりは今一つです。

カナダプレイス(正面)
右側には工事中の建物
新客船ターミナル?

カナダプレイスを後進で離れた後、アラスカに針路を向けます。ライオンズゲート・ブリッジに差し掛かる頃、夕食時間となりダイニングルームに向かいました。

10階のクローズネスト(展望室)から見た
バンクーバーの街
ライオンズゲート・ブリッジをくぐる
サファイヤ・プリンセス

2.インサイド パッセージ、トレシーアーム
(INSIDE PASSAGE,TRACY ARM)

航海2日目は終日航海です。船内を探検するには好都合です。

船内各所では多彩なイベントが開催されます。ビンゴゲームはほぼ毎日開催されます。初回のビンゴでは、$10の出費で見事$280を手にしました。以後、何回かチャレンジしましたが、2度と幸運はやって来ませんでした。

インサイドパッセージですれ違う
セレナーデ・オブ・ザ・シーズ(左)
コーラル・プリンセス(右)

アラスカに向かう航路周辺は、クジラが多く見られます。10階船首のクローズネスト(展望室)にいると、イルカの群れやクジラの潮吹きをしばしば見ることができます。クローズネストにいると多くの乗船客の目で獲物を探す事になるので、見られるチャンスが高くなります。

ギャラクシーのアラスカ・クルーズではもっと陸よりの狭い水路を通ったと記憶していますが、ザイデルダムはかなり沖合いを通りました。海は穏やかでまったく揺れることを知りませんが、景色的にはもっと狭い水路を通ってほしかった。

2日目の夕方、急病の乗組員を搬送するためヘリコプターが飛来するのでデッキが立ち入り禁止になりました。しかし、ヘリコプターでの搬送は技術的に難しかったようで、ヘリコプターは帰ってしまいました。結局、乗組員はボートで搬送されたとのことです。

2日目の深夜に時計を1時間戻しました。得した気分です。

早朝のクローズネスト 3日目の朝日
先の船はウェステルダム

3日目の朝、ザイデルダムはトレシーアームに入りました。トレシーアームは、全長50Km近くのフィヨルドです。両岸が直ぐそこに迫る狭い水路をザイデルダムは進んでいきます。所々に滝が流れ落ちているのを見ることができます。野生動物も多く生息してるとのことでしたが、残念ながらその姿を見ることはできませんでした。

海の上には氷の欠片が 船尾の方向を見る

太陽の方向により、順光になるか、逆光になるかで、海面の色が大きく変化します。深い青色になったり、グリーンになったり。空は真っ青です。

滝が見えるポイントでしばらく停泊 風があるので、じっとしているとちょっと寒いかも

水路をUターンして、元来たコースを戻り始めた頃、アムステルダムとすれ違いました。極近い距離です。

直ぐ近くですれ違いました 海の色が変化しています

トレシーアームを3時間位クルージングした後、ジュノーに向かいました。

鏡のような海面 トレシーアームを後にする


3.ジュノー
(JUNEAU)

ジュノーはアラスカ州の州都で、人口31000人です。州都といっても小さな町です。街の名前ジュノーは、1880年頃のゴールドラッシュの時代、世界最大の金鉱脈を発見した鉱山師の名前から付けられました。

ジュノーに入港

既に港には、オーステルダム、ゴールデン・プリンセス、レディアンス・オブ・ザ・シーズが入港していました。ザイデルダムは一番最後に入港したのに、港で一番便利な桟橋に着けることができました。”ホランド・アメリカはアラスカに強い”と言われますが、こんなところが強さの所以かもしれません。レディアンス・オブ・ザ・シーズは沖係りです。

左から ザイデルダム
ゴールデン・プリンセス
オーステルダム

ジュノーの街は暖かく、半袖でもちょっと歩くと汗ばむ位です。4隻の大型客船が入港したので、街は混雑しています。

鮮やかなパフィの旗が印象的 ゴンドラが山の上まで登っていく

港の後ろにはロバーツ山があって、ザイデルダムの直ぐ横からロープウェイで登ることができます。山の上からの景色は魅力的ですが、ちょっと料金が高いのと、船が逆光になるので今回は遠慮しました。

ザイデルダム
ゴールデン・プリンセス

ジュノーの北には、ジュノーの顔と言われているメンデンホール氷河があります。陸と空から氷河見物のツアーが出ています。私はヘリコプターで氷河の上に降り立つツアーに参加しました。

ヘリコプターから見たジュノーの街
先の方に客船が見える

ヘリコプターのツアーには、氷河の上で犬ぞりを体験する物もありましたが、私の参加したツアーは氷河の上を散策するだけのツアーです。

港からバスに乗って空港まで行きます。バスの中ではカードに氏名と体重を記入します。体重はポンドで記入するのでお間違いのないように。

空港に到着すると、注意事項を聞いた後、靴の上から氷上ブーツを履きます。手荷物は機内に持ち込めないので、カメラだけを持ってヘリコプタに乗り込みます。

氷の上に着陸 氷の上を散策

もっと空から景色を堪能したいところですが、空港から僅かな時間で到着してしまいます。

実は前回のアラスカクルーズの時にもヘリコプターツアーに参加したのですが、もっと長い時間ヘリコプターに乗っていた記憶があります。飛ぶ方向が今回とは違っていたので、別の氷河だったものと思います。

氷河の上に降り立つと、先に来ていたグループが折り返しで、ヘリコプターに乗って帰って行きました。

ガイドに従って周辺を散策します。氷の上には裂け目もありますが、危険な感じはありません。

一口飲んでみた氷の上の川 ヘリコプターから

ガイドのやり方を真似て氷の上に寝そべり、氷の上の水の流れに直接口を付けてみました。冷たい美味しい水でした。貴重な体験です。

ジュノーの街と違って、さすがに氷の上は寒い。風が吹くとなおさらです。

ジュノーからやって来た次のお客さんと入れ替わってヘリコプターに乗り込みました。来る時は内側の席だったので帰りは窓側です。この辺はアメリカ式公平さです。

ヘリコプターから見たメンデンホール氷河

観光を終えて岸壁に戻ると消毒用のジェルが用意されています。手を消毒後乗船します。

昼間賑わったジュノーの街ですが、船が1隻また1隻と出港していくと寂しくなっていきます。ザイデルダムが最後にジュノーを後にする頃には、店の明かりも落ちて、静かなアラスカの街に戻っていました。

海面を明るく照らしながら
ゴールデン・プリンセスが出航
ジュノーの夜は早い


4.スキャグウェイ
(SKAGWAY)

ジュノーからスキャグウェイまでは僅かな距離です。昨夜遅くにジュノーを出港したのに早朝にはスキャグウェイに到着します。ザイデルダムより早く、プリンセスの2隻が並んで接岸していました。ザイデルの後からは、レディアンスが続いて入港しました。

ジュノーに入港する直前にクジラが潮を吹くのが見えました。

ダイヤモンド・プリンセス(左)
ゴールデン・プリンセス(右)
レディアンス・オブ・ザ・シーズ

スキャグウェイでもザイデルダムの停泊場所が一等地です。

ダイヤモンド・プリンセスが停泊している岸壁横の崖には、スキャグウェイに入港した船の名前やマークが書き込まれています。先日飛鳥Uがこの崖に名前を刻んだことがニュースになっていました。残念ながら、今回飛鳥Uの名前を見つけることはできませんでした。

4隻の大型客船が入港 スピリット・オブ・オケアノス(右)
は今年来日予定

レディアンス・オブ・ザ・シーズ(左)
ザイデルダム(右)

スキャグウェイでは、昔の鉱山鉄道を観光用に改造したホワイトパス鉄道のツアーが有名です。

停車場に止まっている貨車 線路の向こうにザイデルダム

私は、アメリカの国鳥である白頭鷲の営巣地を、ゴムボートで訪れるツアーに参加しました。

スキャグウェイから隣町ヘインズまで、双胴の高速艇で約40分です。プリンセスのお客さんもこの高速艇に乗船していました。途中、アザラシが日向ぼっこしている岩場で船を止め、しばし見物です。

アザラシ見物でしばし停船 岩場のアザラシ

ヘインズには大型クルーズ船も時折立ち寄ります。前回ギャラシーで訪れたことがあります。その時は遅くなってからの入港でしたが、今回は朝の爽やかな太陽の光に建物や緑が輝き、同じ街なのに前回とは印象が大きく異なります。

ヘインズの街

ヘインズの港からバスで約40分ハイウェイを走ります。ハイウェイといっても普通の道です。ボートの乗場に着くと安全の注意を聞きます。靴からブーツに履き替え、救命胴衣を着てボートに乗り込みます。

急流という程ではない ボートは連なって進んでいきます

我々のボートは乗客6人とガイドです。オールを漕ぐのはガイドだけで乗客はしっかりロープを握っているだけです。

木の上に白頭鷲が止まっているのをみつけるとガイドが教えてくれます。

説明の時の印象では、かなり流れが急なように感じましたが、実際は穏やかな流れに任せる感じです。緊張するような場所はありません。先月大雨が降ったとかで、川の途中に流木があったりしました。

白頭鷲以外の野生動物との出会いも期待していましたが、残念ながら目にすることはありませんでした。

景色は綺麗で爽快な気分

意外と短く感じましたが、2時間位乗っていたのでしょうか。

終点で上陸すると、ランチの用意がされていました。パンとハム、チーズ、トマトなどから自分でサンドイッチを作って食べます。自然の中で食べる食事はまた格別です。

木の緑と青い空 終点でピクニックランチ

高速艇でスキャグウェイに戻った後、スキャグウェイの街を歩いて周りました。

アラスカはもう秋なのでしょうか、街を流れる川には鮭が数多く登ってきています。手づかみで取れそうな位です。
この鮭を追って来たアザラシが、ザイデルダムの舳先で頭を出していました。さらに、ラッコかビーバーの類が鮭を咥えて泳いでいくのが見えました。 スキャグウェイは自然が豊かな街です。

スキャグウェイの出港風景 デッキでは焼き鳥も

出港パーティが船尾のデッキで模様されました。バンド演奏の横ではバーベキューをやっていましたが。”ソースなしのチキン”を注文したら、それは正しく日本の焼き鳥でした。

(1)寄港地の紹介
(バンクーバ〜インサイドパッセージ〜トレシーアーム〜ジュノー〜スキャグウェイ)

(2)寄港地の紹介
(グレイシャーベイ〜ケチカン〜インサイドパッセージ〜バンクーバー)

(3)ザイデルダムの船内
(4)アラスカで出会った船


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