南極観測船(砕氷艦)しらせ
(2017/9/30)



南極観測船「しらせ」が名古屋港に寄港し、船内が一般公開されました。本船は2009年に就航した2代目「しらせ」です。

砕氷艦しらせ(海上自衛隊)
全長138m 全幅28m
喫水9.2m 深さ15.9m
基準排水量 12,650トン
軸出力 30,000馬力

予約なしで誰でも見学可能です。舷梯下で手荷物検査と身体の金属検査を経て乗船です。



船尾甲板の格納庫では、グッズの販売や南極の氷や生物の展示がありました。

船尾の飛行甲板 グッズ販売

ナンキョクオキアミ 南極の氷

全幅28mいっぱいの広いブリッジです。自衛隊入隊対象年齢の若者にはガイドの方が付いてリクルート活動をしていたみたいです。その説明を横から聞かせて頂きました。



煙突は減衰動揺タンクと一体になっていて船体の振れを低減します。しかし南極手前には暴風圏があり、先代「しらせ」の最大傾斜は左53°右41°(平成13年12月12日)。2代目「しらせ」の最大は20°を少し超えた位とのこと。
船首には沢山の穴が空いています。これは2代目「しらせ」で初めて敷設された装置とのこと。厚氷を船体の重みで砕き前進するチャージングの際、この穴から大量の海水を吹きだして氷の上のシャーベット上の雪を吹き飛ばして、砕氷の効率を高めます。

煙突 融雪用散水装置


空気が澄んでいて、遠くの山々や名古屋駅前の高層ビルが綺麗に見えました。

ポートビルの展望台から


南極の博物館「南極観測船 ふじ」

名古屋港に係留・展示されている「ふじ」にも乗船し、新旧の南極観測船の違いを確かめてきました。




「ふじ」は昭和40年(1965年)就役ですが、調理場には当時最先端のIH式の調理器もあったとのこと。

食堂の調理場

一般乗組員の居住区は105人分の3段ベットが並ぶ倉庫のような場所です。先代「しらせ」になり、かなり改善されたとのこと。但し「他の護衛艦と比べると、若干広い程度」

士官寝室 海曹寝室

一般乗組員居住区

2代目「しらせ」の観測隊寝室

展示室では南極観測の歴史が紹介され、歴代の南極観測船の模型が展示されています。臨場感あふれる映像も大画面で見られます。

歴代の南極観測船の模型 雪上車

ヘリコプターは観測隊の物資輸送に活躍します。2代目「しらせ」ではコンテナ化が進み、物資輸送が大幅に効率アップしているとのこと。

後部飛行甲板 搭載ヘリコプター

2代目「しらせ」に比べて狭いブリッジです。搭載されている機器類から年代を感じます。「両舷停止!」などの号令がスピーカーから流れて雰囲気を出しています。


木製の救命艇の一部分が朽ちていました。早めのメインテナンスが必要です。

木製の救命艇 船首の貨物ハッチとデリック


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