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クイーンコーラルクロス就航
(鹿児島~奄美~沖縄)
(2021/11/20~21)

クイーンコーラルクロス(マリックスライン)
総トン数:7,914トン
全長:144.88m 幅:24.66m
建造:内海造船瀬戸田造船所

マリックスラインのクイーンコーラルクロスが、11/20鹿児島~奄美群島~沖縄航路に就航しました。
初航海に区間乗船(奄美大島・名瀬港~沖縄・那覇港)したので、その様子を紹介します。

航路図(マリックスラインHPから)
※本航海では沖永良部島は和泊港から伊延港に変更されました

●奄美大島、沖縄の旅

クイーンコーラルクロスに乗船する前後には、奄美大島ではカヌーツアーに参加し、沖縄では美ら海水族館を見学しました。
その詳細はリンク先「奄美大島・沖縄の旅」に記しました。


【11/21 奄美大島・名瀬港】

名瀬港出港は早朝5:50です。名瀬港近くのホテルに前泊しました。

名瀬港のクイーンコーラルクロス

船首では本船のクレーンを使って、コンテナの荷役中でした。

コンテナの荷役中

名瀬港で下船する船客を吹奏楽の演奏でお出迎えしました。

朝日中学校吹奏楽部の演奏

「船で繋つなごう♪ 音楽で繋ごう♪ クイーンコーラルの旅」と題して、各寄港地では吹奏楽や郷土芸能を披露してクイーンコーラルクロスの就航を祝いました。

「船で繋つなごう♪ 音楽で繋ごう♪ クイーンコーラルの旅」
各寄港地の出演者と演目

【乗船開始】

乗船開始

本船は、12mトラック30台、乗用車44台、10ftコンテナ246個、20ftコンテナ8個の搭載が可能です。

今回自衛隊の団体乗船があり、車両甲板には陸上自衛隊の車両も載っていました。

車両甲板

【名瀬港出港】

ターミナルでは、朝日中学校吹奏楽部が演奏で出港を見送ってくれました。

名瀬港出港

奄美大島の西側を南下していると、東の空が明るくなってきました。

奄美大島の南端を航行中

【クイーンコーラルクロスの船内】

クイーンコーラルクロスの旅客エリアは、3階と4階の2フロアーです。

3階デッキプラン(拡大)

乗船するとエントランスの青い階段が目に飛び込みます。新造船乗船のワクワク感があります。

エントランス


売店では本船のオリジナルグッズが品揃えよく販売していました。

左:案内所、右:売店 売店横の通路

レストランは営業時間が短いので注意が必要です。
鹿児島→沖縄の場合、朝食は名瀬港入港中、昼食は和泊港(本航では伊延港)入港中になります。那覇入港前の夕食の提供はありません。

レストラン

伊延港入港中に昼食を取りました。

昼食のハンバーグ定食

充電用のコンセントは、フェリーのパブリックスペースにとって必須の設備になりました。

乗船口横のパブリックスペース キッズコーナー

本船の旅客定員は653名で、特等室 2室(4名)、1等1名室 6室(6名)、1等2名室 6室(12名)、2等寝台 17室(180名)、2等 32室(451名)です。
2等室は大部屋と小部屋が配置されて、様々な規模の旅客に対応させています。

特等室、1等室は、階下3階の船尾右舷にあり、一般的な長距離フェリーとは異なった配置です。一般にエンジンに近い船尾は振動が心配ですが、本船は振動が少なく静かなので船尾でも快適かもしれません。
特等室、1等室前の通路は船尾に向かってシアーが掛かっているのがよく分かります。クラシックなランプが印象的です。

特等、1等エリアの通路 クラシックなランプ

船尾左舷にはペットルームがあります。withペットルームは本船にはありません。

ペットルーム

4階には2等室の小部屋が沢山並びます。

4階デッキプラン(拡大)

4階船首にはビューシートがあって、船の前方が見渡せます。椅子と窓の距離が近いのでよく見えます。電動カーテンが備わっていて夜間はカーテンが降りてきます。

後方のソファーシートの高さが低くて「景色が見にくい」と批判していたら、本船に乗船していた関係者の方から「改善します」との回答を頂きました。改善方法の具体的方法も検討されていたので、早々に改善されるものと期待しています。

ビューシート

既存船には浴室がありますが本船には浴室がありません。代わりにシャワールームが沢山設置されています。シャワールームは一か所に集中せず、3階/4階、船首/船尾に分散して設置されています。
他のフェリーとは異なり、シャワー室は通路に面していきなり個室の扉があります。シャワー室にはソープやシャンプーは設置されていません。

シャワールームの入口

【就航記念品】

名瀬港の窓口で貰った引き換え券で、就航記念品のキーホルダーを受取りました。

就航記念品のキーホルダー

港の窓口などでも記念品を貰いました。

就航記念絵葉書(裏面)

乗船記念証

バッジ
PUNIP cruisesさん作

【徳之島・亀徳港 入港】

徳之島

亀徳港には9:10定刻着岸です。

亀徳港入港

神之嶺小学校の児童が夏目踊り(県無形民俗文化財)を披露してくれました。

神之嶺小学校児童の夏目踊り

亀徳港出港

【沖永良部島・伊延港 入港】

名瀬から亀徳まで穏やかな海と感じましたが、沖永良部島の港は和泊港から伊延港に変更されました。波が南側から来ているためと思われます。

伊延港入港

伊延港には約15分遅れの11:45分着岸です。

沖永良部高校エイサー部が「えらぶんちゅ」をテーマにした演舞を披露してくれました。

「えらぶんちゅ」をテーマにした演舞 伊延港岸壁

沖永良部島は青空と綺麗な海でした。

沖永良部島が遠ざかる

沖永良部島~与論島を航行中にマルエーフェリーのフェリー波之上と行き会いました。


フェリー波之上(マルエーフェリー)

【与論島・与論港 入港】

この辺りから海面を漂う軽石の灰色の帯が目立ち始めました。

与論港接近 軽石の帯

与論港着岸は約30分遅れの14:10でした。
岸壁では、幼児から高校生までのグループが「ゆんぬエイサー」を披露してくれました。

与論港入港 子供たちの「ゆんぬエイサー」

船尾から見た与論島

【講演会】

講演会

与論港~本部港の航海中に日本クルーズ&フェリー学会の講演会が開催されました。一般の乗船客も聴講可能です。

(1)マリックスラインの紹介とクイーンコーラル・クロスの建造(マリックスライン 岩男直哉社長)
・建造までに厳しい道程があった。造船所の撤退により選択肢が少なくなった。船会社側の新造船建造に関する経験不足。
・1機1軸の採用には大きな議論があった。
・内装デザインは大いに満足している。他社との差別化ができた。離島航路としての要件を満たすことができた。
・若手社員中心のプロジェクト活動実施。本船オリジナルのグッズや菓子類の企画・販売。
・今後サービス意識を向上させて、ソフト面の充実を図って行く。

(2)クイーンコーラル・クロスの技術紹介(内海造船 加賀正人設計部長)
・船型大型化により貨物積載能力の向上ができた。
・1機1軸の採用により燃費性能の向上、メインテナンスコスト低減、CO2削減を図った。
・軸発電装置を非常時の推進装置(モーター)として使用することにより、主機故障時の冗長性が確保できた。
・主発電機3機搭載により、安定した電力供給が果たせた。

笠井統太氏のデザイン画

(3)本船デザイナー 故笠井統太氏への感謝状贈呈
マリックスライン岩男直哉社長からご遺族に感謝状が贈呈されました。笠井統太氏はナッチャンWorld、ナッチャンNera、シルバープリンセス、シルバーティアラ、おがさわら丸など多くのフェリーや客船の内装デザインを担当し、飛鳥Ⅱの改装工事にも携わりましたが、2020年6月若くしてお亡くなりになりました。クイーンコーラル・クロスの内装は笠井統太氏の遺作の一隻になりました。

【沖縄・本部港 入港】

沖縄記念公園・美ら海水族館方面

本部港の沖合には沢山の砂利運搬船が停泊していました。辺野古基地の埋め立て用土砂を運搬する船とのこと。

本部港沖の砂利運搬船

沖縄本島と瀬底島を結ぶ瀬底大橋 本部港入港

本部港着岸は約25分遅れの17:05でした。

岸壁では名桜エイサーサークルが演舞を披露してくれました。

着岸 名桜エイサーサークルのエイサー

隣の岸壁からは、伊江島行きのフェリー「いえしま」が出港していきました。

いえしま(伊江村 村営フェリー)

【ブリッジ見学会】

ブリッジ見学会

本部港~那覇港航海中にブリッジ見学会が開催されました。

ブリッジから前方を望む ブリッジから後方を望む

那覇港入港まで船首のビューシートで日没の風景を楽しみました。

ビューシートから

【沖縄・那覇港 入港】

就航を祝う横断幕 沖縄県立芸術大学の演奏

那覇港着岸は約20分遅れの19:20でした。
岸壁では沖縄県立芸術大学のバンドが就航を祝う演奏をしてくれました。

下船完了 自衛隊の車両も下船



【11/22 沖縄・那覇港】

那覇港近くのホテルに宿泊した後、翌朝再びクイーンコーラルクロスに乗船しました。本部港で下船して美ら海水族館に行ってきました。

コンテナ荷役中

港に着いた時にはコンテナ積込みのフォークリフトが忙しく動いていましたが、乗客が乗船を開始するまでに荷役は完了したようです。

コンテナ荷役中

【乗船開始】

乗船開始

出港30分前の6:30頃、乗客の乗船が開始されました。

車両甲板

【那覇港出港】

定刻7:00に那覇港を出港しました。発達する低気圧と前線の通過により荒天が予想されるため、与論島と沖永良部島には「抜港、寄港地変更のおそれあり」の条件が付いていました。

那覇港出港

航海中、ビューシートに居座りました。

プレジデント・トルーマン(APL) 琉球エキスプレス6(マルエーフェリー)

【沖縄・本部港 入港】  

多少の揺れを覚悟していましたが、平穏な航海でした。
本部港には約10分早着の8:50に着岸です。  

本部港入港

本部港の岸壁には、海面から掬い上げられた軽石の山が幾つもありました。

いえしま(伊江島村営フェリー) 岸壁に積み上げられた軽石の山

与論島に向け出港(9:20)するクイーンコーラルクロスを見送りました。

与論島に向け出港するクイーンコーラルクロス

本部港を出港したクイーンコーラルクロスは、条件付きだった与論島(与論港)、沖永良部島(和泊港)には無事寄港できましたが、強風のため徳之島・亀徳港の出港を一時見合わせ、4時間30分遅れで航行を再開しました。
最終の鹿児島港には5時間30分遅れで入港して、鹿児島~那覇~鹿児島の初航海を終えました。


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