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鳥羽市営定期船の船 左:はばたき、右:きらめき |
1日で鳥羽市営定期船の全航路に乗船する計画を実行したので記します。鳥羽市営定期船は鳥羽駅前の佐田浜(鳥羽マリンターミナル)と鳥羽市の島々を結ぶ住民の足です。
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鳥羽市営定期船の航路 |
1日フリー乗船券(大人1480円、子ども740円)を利用すると鳥羽市営定期船が1日乗り放題です。また近鉄のフリーきっぷの中には鳥羽市営定期船のフリーきっぷがセットされた物があります。
私は近鉄のフリーきっぷ「まわりゃんせ(特急券付き)」を利用しました。「まわりゃんせ(特急券付き)」は近鉄の乗車券と特急券、伊勢・志摩の観光施設の入場券などがセットされており、鳥羽市営定期船は利用期間中(最大4日間)乗り放題です。
鳥羽市営定期船は5航路を高速船4隻と通常型客船1隻で運航し、他に予備船1隻(通常型客船)を所有しています。
・佐田浜~和具(答志島)~答志(答志島)
・佐田浜~桃取(答志島)
・佐田浜~菅島(菅島)
・佐田浜~坂手(坂手島)
・佐田浜~神島(神島)
2024年8月までは鳥羽水族館近くの中之郷桟橋から多くの便が発着していましたが中之郷桟橋は廃止され、現在は鳥羽駅近くの佐田浜(さだはま)(鳥羽マリンターミナル)から全便が発着しています。
佐田浜~神島は1日4往復しか運航していないので、1日で全航路に乗船する為には佐田浜~神島の運航時刻を中心に計画を建てる必要があります。
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時刻表(拡大) 枠付の便=乗船した便 |
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しおさい 総トン数 75.00 機関 ディーゼル 最大出力 734馬力×2 航海速力 17ノット 旅客定員 186名 船質 耐食アルミ二ウム合金 進水年月 2016年3月 |
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船室 | 2階デッキ |
「しおさい」は高速船タイプですが、他の船に比べてエンジン出力が低く航海速力も遅いです。但し乗船しているとその差を感じませんでした。
(佐田浜出港)
佐田浜(鳥羽マリンターミナル)は鳥羽駅(近鉄、JR)から少し離れた場所(徒歩7~10分)にあるので余裕をもって乗場に行く必要があります。
鳥羽マリンターミナルからは鳥羽市営定期船の他に鳥羽湾めぐり(志摩マリンレジャー)の船も出ています。
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(佐田浜⇒和具)
この辺りは多くの旅客船(鳥羽市営定期船、伊勢湾フェリー(鳥羽~伊良湖)、志摩マリンレジャー(鳥羽湾めぐり))が行き交っていて楽しい海域です。
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佐田浜を後にする |
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伊勢丸(伊勢湾フェリー)、かがやき | かがやき |
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フラワーマーメイド(鳥羽湾めぐり) | 龍宮城(鳥羽湾めぐり) |
(和具寄港)
佐田浜~和具は約15分(通常客船18分)で到着します。
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和具入港 | 和具出港 |
(和具⇒答志)
船の左右に島や岩場が見える景色が良い海域です。反面、乗組員はコース取りに気を遣う海域だと思います。
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築上岬(答志島) |
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大築海島 |
(答志入港)
和具~答志は約10分(通常客船12分)で到着します。
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答志入港 |
(答志)
答志島(とうしじま)は鳥羽市で最大の離島です。島内には桃取町と答志町があり、人口は合わせて1721人(2025.3)です。
答志から約1Km離れたところに無人島の大築海島(おおづくみじま)があります。
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答志港 | 正面の島は大築海島 |
(答志出港)
答志に17分留まった後、折り返し便として佐田浜に向け出港します。
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答志出港 |
(和具)
「しおさい」を和具で下船して、佐田浜に向かう「しおさい」を見送りました。
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佐田浜に向かう「しおさい」 |
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はばたき 総トン数 76トン 機関 ディーゼル 最大出力 829馬力×2 航海速力 22ノット 旅客定員 200名 船質 耐食アルミ二ウム合金 進水年月 2024年6月 |
「はばたき」は2024年9月1日に就航した新鋭船です。船体は、みえ応援ポケモン「ミジュマル」のデザインでラッピングされていて、船内の至る所に「ミジュマル」が居ます。
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船室 |
船室後部に円型のトイレがあります。
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船室後部の円型トイレ | 2階デッキ |
(和具)
和具(わぐ)で佐田浜から来た「はばたき」を出迎えました。
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佐田浜から来た「はばたき」 |
(和具出港)
和具港で「はばたき」に乗船しました。和具港の防波堤には多くのタコつぼが並んでいます。答志島のタコは伊勢湾口の速い潮流で育つので身がしまって美味しいと評判です。
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防波堤のタコつぼ |
(和具⇒神島)
鳥羽と伊良湖を同時に出港した伊勢湾フェリーの船は答志島と神島の中間ですれ違います。
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神島 | 伊勢湾フェリーのすれ違い |
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伊勢丸(伊勢湾フェリー) | 知多丸(伊勢湾フェリー)、後方は伊良湖岬 |
(神島入港)
佐田浜~神島は1日4往復で全便高速船で運航しています。和具~神島は約15分で到着します。佐田浜~神島は直行便は約30分、経由便は約40分です。
神島の南側は急峻で、集落は島の北側にあります。東側には伊良湖水道があり神島灯台は伊良湖水道を航行する船にとって重要なランドマークです。
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神島入港 |
(神島)
神島(かみしま)の人口は261人(2025.3)です。この日は日曜日なので神島で乗下船する船客の多くは釣人や観光客でした。
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神島 |
(神島出港)
午前の便なので、下船した船客より乗船した船客は少ないです。
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(神島⇒和具)
鳥羽市営定期船は東西に走る区間がほとんどなので、1日を通して北側の答志島は順光でクリアに見え、南側の菅島は逆光で霞んで見えます。
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答志(答志島)に向かう「かがやき」 |
(和具出港)
和具港に約5分停泊して佐田島に向かいます。
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和具出港 |
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第二十八鳥羽丸 総トン数 64トン 機関 ディーゼル 最大出力 730馬力 航海速力 13.5ノット 旅客定員 260名 船質 F・R・P 進水年月 2001年2月 |
第二十八鳥羽丸と予備船の第二十七鳥羽丸は通常型の客船です。高速船が就航する前の伝統的な鳥羽市営定期船の船型です。
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前部客室 |
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2階デッキ前部 |
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2階デッキ後部 | 船尾 |
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(佐田浜出港)
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(佐田浜⇒坂手)
第二十八鳥羽丸は高速船とは異なる無骨なエンジン音を響かせながら進みます。
真珠島や鳥羽水族館を右側に見ながら進み、舵を左に切って坂手島の南側を半時計周りに航行します。右手には安楽島町のホテル群が見えます。
安楽島(あらじま)は鳥羽市街から見ると島のように見えるため島の名前が付いていますが陸続きです。
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坂手島の南側を半時計周りに航行 | 右手は安楽島町のホテル群 |
(坂手入港)
佐田浜~坂手は約10分(高速船、通常客船共通)で到着します。
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(坂手)
坂手島(さかてじま)は面積0.51平方Kmの小さな島です。人口は235人(2025.3)です。
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(坂手出港)
坂手港に約5分停泊して佐田浜に戻ります。
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(坂手出港)
坂手島の南の海面には幾つかの筏が浮かんでいます。真珠の養殖でしょうか。
安楽島町にある鳥羽ドックは船の点検と修理を専門に行う造船所です。
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筏が浮かんでいる | 鳥羽ドック、鳥羽シーサイドホテル |
鳥羽水族館の南側には伊勢湾フェリーの乗場があり、その隣には海上保安庁の巡視船やエスコートボート(上野マリタイム・ジャパン)の基地があります。
エスコートボートは伊良湖水道や伊勢湾・三河湾内を航行するLNGタンカーなどの危険物運搬船や巨大船を先導して進路の安全を確保する役割を持つ船です。万一の事態に備えて放水銃などの消防設備を備えています。
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巡視船いすず(海上保安庁) | (左)エスコートボート ずいりゅう (右)知多丸(伊勢湾フェリー) 右後方は鳥羽水族館 |
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エスコートボート ほうりゅう 後方はミキモト真珠島 |
エスコートボート ほうりゅう |
(佐田浜入港)
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きらめき 総トン数 72トン 機関 ディーゼル 最大出力 829馬力×2 航海速力 22ノット 旅客定員 150名 船質 耐食アルミ二ウム合金 進水年月 2008年3月 |
この日の目的は鳥羽市営定期船の全航路に乗船する事で、目的は達成できましたが、鳥羽市営定期船の所有船の内「きらめき」と「第二十七鳥羽丸」には乗船できませんでした。
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かがやき 総トン数 74トン 機関 ディーゼル 最大出力 829馬力×2 航海速力 22ノット 旅客定員 172名 船質 耐食アルミ二ウム合金 進水年月 2009年3月 |
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船室 | 船室後方 |
「かがやき」の操舵室はガラス張りで中がよく見えます。船室と2階デッキを結ぶ階段は螺旋階段です
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操舵室 | 螺旋階段 |
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2階デッキ前方 | 2階デッキ後方 |
(佐田浜出港)
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(佐田浜⇒菅島)
伊良湖から鳥羽へ向かう伊勢丸とすれ違いました。
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伊良湖から鳥羽へ向かう 伊勢丸(伊勢湾フェリー) |
(菅島入港)
佐田浜~菅島は約13分で到着します。この航路は全便高速船が運航しています。
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(菅島)
菅島(すがしま)は鳥羽市では答志島に次ぐ2番目の大きさです。人口は456人(2025.3)です。
菅島港の沖には小さな沖ノ島があって、菅島とは「しまっこ橋」で繋がっています。沖ノ島には海水浴場があります。
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菅島 船着場 | 沖ノ島と繋がる「しまっこ橋」 |
(菅島出港)
港の横には鳥羽市立菅島小学校があります。校舎の一部は菅島灯台をモチーフにしたデザインです。かつては菅島小学校に隣接して菅島中学校がありましたが統合廃止されて、現在は本土の中学校に通っています。
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港の後方は菅島小学校 | 菅島出港 |
(菅島⇒坂手)
乗船した便は途中坂手に寄港する便でした。
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神島に向かう「しおさい」 |
坂手に向け舵を左に切り、菅島と坂手島の間の水路を航行しました。
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菅島と坂手島の間の水路に入る |
(坂手寄港)
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坂手入港 | 坂手出港 |
(坂手⇒佐田浜)
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後方は鳥羽ドック、鳥羽シーサイドホテル |
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伊勢湾フェリー乗場、鳥羽水族館 | ミキモト真珠島 |
(佐田浜入港)
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第二十八鳥羽丸 総トン数 64トン 機関 ディーゼル 最大出力 730馬力 航海速力 13.5ノット 旅客定員 260名 船質 F・R・P 進水年月 2001年2月 |
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(佐田浜出港)
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フラワーマーメイド(鳥羽湾めぐり) |
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(佐田浜⇒桃取)
桃取へは佐田浜から北に進んで行きます。
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佐田浜から北へ進む | 左側に三ツ島が見える |
(桃取入港)
佐田浜~桃取は約12分(高速船、通常客船共通)で到着します。
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桃取入港 |
桃取港に仲芳フェリーが停泊していました。車両も運送できると思われますが詳細情報がありません。
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仲芳フェリー |
(桃取)
桃取(ももとり)は答志島の西側に位置しています。
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(桃取出港)
桃取に約8分停泊して佐田浜に向け出港しました。
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(桃取⇒佐田浜)
桃取(答志島)と日向島(イルカ島)の間にある桃取海峡は、鳥羽~常滑航路(伊勢湾フェリー)のフェリーが通っていた時期がありました。
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島ヶ埼灯台(菅島) | 桃取海峡を航行 |
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(左)佐田浜に向かう「きらめき」 (右)答志に向かう「はばたき」 |
はばたき、後方は菅島 |
※2009~2010年撮影
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第二十七鳥羽丸 総トン数 74.00 機関 ディーゼル 最大出力 620馬力×2 航海速力 17.5ノット 旅客定員 250名 船質 F・R・P 進水年月 1997年2月 |
残念ながら、今回第二十七鳥羽丸の姿は確認できませんでした。
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